コカ・コーラの誇りを傷つけたペプシ・チャレンジ
コカ・コーラの支配に対抗しようとした出来事の1つが、1970年代半ばに実施されたペプシ・チャレンジです。
この時点で、ペプシとコカ・コーラはすでに70年以上にわたって市場シェアを争っていました。しかし、常にコカ・コーラが優位に立っていました。
つまり、ペプシがどんな広告を打とうが、誰に向けて売ろうが、どんな推薦があろうが、大多数の人はコカ・コーラを選んでいたということです。
そこでペプシは3,000回ものブラインドテストを行いました。そこでは、大多数がペプシを好みました。1975年、ペプシはコカ・コーラの味が劣っていることを公にし、視聴者にペプシ・チャレンジを挑むことにしました。
ペプシ・チャレンジとは、不特定多数の人々を対象にショッピングモール、デパート、公園などでペプシとコカ・コーラの味覚テストを行うというものです。
そして、ペプシは彼らの生の反応を撮影し、コマーシャルにまとめました。このコマーシャルは実に効果的で、多くの人がペプシを試すようになりました。
実際、1983年にはスーパーマーケットでペプシはコカ・コーラを上回る売り上げを記録しています。
ペプシの成功を見て、コカ・コーラは自分たちのコカ・コーラ・チャレンジの撮影を始めたという噂がありました。しかし、実際には参加者の大半がペプシを選んだため、この映像は放映されなかったといわれています。
しかし、ペプシがコカ・コーラのシェアを奪うことはできませんでした。
シェアが最も近づいたのは1980年で、ペプシは20%台後半、コカ・コーラのシェアは30%台半ばで推移していました。
その主な理由の1つは、炭酸飲料販売機やファーストフード店での優位性により、コカ・コーラの方がはるかに大きなリーチを誇っていたからです。
しかし、ペプシ・チャレンジは間違いなくコカ・コーラの誇りを傷つけました。そしてコカ・コーラが独自の新製品で反撃するまでそう長くはありませんでした。